ディスレレーター(ブレーキ)の重要性


高校球児、大学野球選手の患者さんに最近よく質問されるのは肩を強くしたい、球速を上げたいということです。

そのために、ベンチプレスや、ダンベルプレスといったいわゆるプレス系の種目に重点を置いている選手が大半でした。

見た目のカッコよさや、トレーニングの達成感などからそう思っても無理はないと思うのですが。。

昨日、少し視点を変えて「F1のマシンはなぜスピードがだせるのか?」を例に挙げ、ブレーキとなる筋肉として働く「ディスレレーター」の重要性を話しました。

球速アップのためには、先天的に体に占める速筋繊維の割合や、投球フォームなどテクニカルな部分も勿論関与しますが、重要なのは肩に信頼できるブレーキがあることにより、

無意識のうちにアクセル(腕の振り)を全開に踏めるということです。

考えてみてください。ブレーキに不安のある車に乗って、アクセル全開など出来るでしょうか?あまり知られていませんがリリース時には、肩には体重の1.5倍もの張力が掛かります。

体重70kgの投手なら105kgの張力が発生することを考えると、渾身の力で振った腕にブレーキをかけるディスレレーターを強化していく必要があります。

チンニング(懸垂)などはディスレレーターとして働く筋肉を効果的に鍛えることが出来る種目です。

野球をはじめとする多くのスポーツは、筋肉の曲げ伸ばしによる「アイソトニック」によって力が発揮されます。

アイソトニックは、さらに「コンセントリック収縮」と「エキセントリック収縮」の2種類に分類され、ベンチプレスに例えると、コンセントリックは大胸筋の収縮によりバーを上げる動作であり、この時、筋肉痛は発生しません。エキセントリックは上げたバーの負荷をコントロール(抵抗)しながら下ろす動作を意味し、筋肉痛を発生させます。筋力をアップさせるには、負荷を上げるコンセントリックよりも、その負荷に抵抗するエキセントリックの方が重要です。このエキセントリック収縮ですが、負荷に抵抗しながらバーを下ろしていく際、大胸筋は伸ばされます。そこで負荷に負けて伸展し過ぎると、大胸筋が引きちぎられて断裂する恐れがあるために「このままでは危険!」と脳から指令が発せられて筋肉の伸展にブレーキをかけて収縮を始めます。

スローイングのリリース時に、ディスレレーターである棘下筋と小円筋に一気に負荷がかかりますが、このエキセントリック収縮によってブレーキがかかるので、肩の筋肉を守ってくれます。

F1マシンは、信頼できるブレーキがあるから、アクセルを全開に踏む事が出来ます!同じく、信頼出来る筋肉のブレーキがあればこそ腕を全開に振ることが出来ます。

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